2013年 8月 21日 - 12:48am

28サトー園芸店

サトー園芸店 / Sato Flower Shop

36年ほど花屋を続けて来ました。今は2代目です。初代が始めた花屋を、自分が継ぐのだといつのまにか自然に考えるようになり、違和感もなく花屋を営んできました。志津川駅前にサトー園芸の店があったおかげで、町の入口はいつも季節の花々で彩られていました。現在は商工団地に新しい店を再建しました。ログハウスの店で、いつも花に包まれています。きりこの絵柄は、もちろん花です。

2010年取材ときりこ:故 阿部亜紀・佐藤美枝
 2012年取材:吉川由美

“We want to brighten everyone’s spirits with the flowers of the season”

震災前の様子 / Appearance before the tsunami

震災前の住所 / Address before the tsunami


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2013年 8月 21日 - 12:48am

33豊楽食堂

豊楽食堂 / Horaku Cafeteria

店に入ると、高らかに響く「いらっしゃいませ」の声。生まれて80年、南三陸町で生きてきた店主の遠藤とよ子さんです。でも50年前にお店をオープンしたときは、「いらっしゃいませ」が言えませんでした。ご主人が体を壊され、家族を養うために未経験の飲食業を始めたからです。
助けてくれたのは、何よりもお客さまです。オープン当時に5種類しかなかったメニューは、お客さまからの提案で震災前20種類にまで増えていました。そしていま、とよ子さんとともに厨房に立つのは震災前に東京からやって来た元気な20代のお孫さんです。「いらっしゃいませ!」の威勢のいい声が、店内に響き渡ります。豊楽名物の焼きそばを、是非お召し上がりください。南三陸さんさん商店街で営業中です。

2012年取材:齋藤麻紀子
 2012年きりこ:千葉ひろみ

The old woman at this cafeteria can belt out a “welcome” louder than anyone else in the town. She is over 80 now, and is still an energetic worker. Her grandson, who has come from Tokyo, greets each day’s customers with gusto.

震災前の住所 / Address before the tsunami


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2013年 8月 21日 - 12:48am

32松原食堂

松原食堂 / Matsubara Cafeteria

2代目の店主・渡辺浩さんが切り盛りする松原食堂は、海と桜並木が見える松原公園のそばにありました。好評だったのは、中華そばや味噌ラーメンなどの麺類。家庭の味と、松原食堂を流れるのんびりとした時間は、地元住民の生活の一部でした。
震災後、高台にあった自宅には15人もの人が身を寄せました。「自分ひとりで出来ないことも、力を合わせたらできる」。いまは「毎日が土日のような忙しさ」ですが、小さな町ならではの結束力を発揮したいと言います。南三陸さんさん商店街で営業中です。

2012年取材:齋藤麻紀子
 2012年きりこ:吉川由美

“If we pool our strength, I am certain we can do it”
This cafeteria used to stand next to a park by the beach that had many beautiful pine trees. These were the powerful words of the owner, said after the earthquake.

震災前の住所 / Address before the tsunami


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2013年 8月 21日 - 12:48am

31志のや

志のや / Shinoya Japanese Seafood Restaurant

割烹料理「志のや」は震災前、主に接待の場として使われました。東京の築地、九州、ときには中国から来たバイヤーさんに、南三陸の海産物を味わってもらう場です。あわびが旬の時期には、おさしみ、あわび飯、あわびステーキなど沢山の楽しみ方を味わってもらいました。また歯が悪いお客さまには、蒸し焼きの料理をご提供するなど、お客様に喜んでもらえることだけを考えました。
現在、南三陸の食堂が提供する「キラキラ丼」も、もとはご主人のアイディア。地元食材の良さを伝える「志のや」は、南三陸の縁の下の営業マンなのです。志のやは南三陸さんさん商店街で営業中です。

2012年取材:齋藤麻紀子
 2012年きりこ:すみだ川アートプロジェクト

Where you can enjoy each season’s bounty from Minamisanriku

震災前の住所 / Address before the tsunami


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2013年 8月 21日 - 12:48am

34ナカノ電気商会

ナカノ電気商会 / Nakano Electronics Store

歌津で電気店を営み始めてから、ご主人の髙橋勝男さんで2代目になります。今は息子さんも一緒に仕事をしています。
家電製品を取り扱うだけでなく、電気工事の仕事も請け負っています。
震災前、お店の脇にラベンダーの大きな株があって長い期間咲き続けていたそうです。ハイジという白いネコを飼っていて、いつも店の棚の上で置物のようにハイジが丸くなっていたそうです。震災の時、お店に置いて来てしまったハイジのことを、奥様の良子さんは今も思い出します。
震災前、良子さんは公民館に足繁く通い、茶道や太極拳、着付などを、仲間とともに楽しんでいました。そんな仲間との楽しい時間を、少しずつ取り戻していきたいと語っていました。
震災前以上に幸せな生活ができる町に復興していきたい。それが良子さんの願いです。
ハイジとラベンダー、電球と電気工事に使うペンチをきりこにデザインしました。

2012年取材:吉川由美
 2012年きりこ:高橋京子

We created a design from the pliers and electric light bulbs which were sold in this store, the owners’ pet cat and sprigs of lavender.

震災前の住所 / Address before the tsunami


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2013年 8月 21日 - 12:48am

37アスリートやまうち

アスリートやまうち / Athlete Yamauchi

スポーツ用品を中心に、衣類、スポーツシューズ、アウトドア用品、生活雑貨を扱っています。町のお祭りの衣装を縫うこともあります。
初代は呉服店を営んでいました。
ご主人の山内義申さんは、震災前、歌津の35年前からの歴史の記録や、ご自分に関わりのあるみなさんの生きざまを記録した本などを保存していました。それぞれの方々がどのように生きたかのかを記録した貴重なもので、現存すれば地域の生活文化や歴史の本質を伝えるために役立ったことでしょう。
震災後、避難所でも復旧・復興の過程においても、さまざまな人との出会いがあります。人はみな、地域に生かされ、周りの人に生かされているという実感を、未来に伝えていきたいと、山内さんは考えています。それを「結っ子」と山内さんは呼びます。きりこには、そんな「やまうち」のすべてをデザインしました。

2012年きりこ:高橋京子

We created a design featuring sports goods.

震災前の住所 / Address before the tsunami


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2013年 8月 21日 - 12:48am

36BJヤマウチ

BJヤマウチ / BJ Yamauchi Beauty Salon

山内良子さんは、本吉の津谷から移り住んで42年になりました。美容師として、自宅で長年店をやってきました。
地肌と髪の健康のためにとてもよいベル・ジュバンスという弱酸性美容法でお客様に親しまれ、遠くからもお得意様が通っていらっしゃいます。そのベル・ジュバンスの略が、お店の名前の「B・J ヤマウチ」なのです。
仕事をするのが何よりも好きです。
震災後、たくさんの方のご支援で、今の店を復活することができました。お客様が、店の再開をずっと待っていてくれたことが心からうれしかったそうです。
必ず、みんなで立ち上がって、以前のような町をつくりたいと考えています。

2012年取材:吉川由美
 2012年きりこ:高橋京子

This salon is run by an energetic woman whose passion it is to make every woman’s hair beautiful.

震災前の住所 / Address before the tsunami


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2013年 8月 21日 - 12:48am

35マルタケ大衆ストア

マルタケ大衆ストア / Marutake Grocery Store

約半世紀、歌津で食料品小売業を営んできました。髙橋武一さんで2代目になります。
南三陸の海が、なんと言っても髙橋さんにとってかけがえのない宝物でした。この自然と、震災で確かめ合うことができた人と人とのつながりを、未来に伝えていきたいと髙橋さんは考えています。
「全国の方たちからの支援と励ましが心の支えです。震災前と同じような商店街にするのではなく、将来にわたり、町の人々に愛され多くの方に訪れてもらえるような商店街をつくらなければならない。」髙橋さんは、仲間たちと日々新しいまちづくりのために奔走しています。
人と人とのつながり、人が集まって知恵の花が咲く。そんなイメージをきりこにデザインしました。

2012年取材ときりこ:吉川由美

A coordinator for the main street business community, this shop owner liaises closely with others in the task of reconstructing the town.

震災前の住所 / Address before the tsunami


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2013年 8月 21日 - 12:48am

40カットクラブ チバ

カットクラブ チバ / Cut Club Chiba Barbershop

もともとは千葉理容所として親しまれていました。伊里前で床屋を営み、もう70年になります。ご主人の千葉英樹さんが3代目です。
千葉さんは、仙台で十数年修行した後に、店を継ぎました。
子どものころから歌津の海が遊び場でした。あわび採りなどをして遊んだものです。
この夏、父親は千葉理容所を歌津地区枡沢に復活させました。
震災で親しかったお客様が何人も犠牲になってしまいました。これからも父子共々、お客様を大切にしながら、床屋を続けていきたいと思っています。
商売道具のかみそりやシェービングブラシ、シェービングカップなどをきりこにデザインしました。

2012年取材ときりこ:吉川由美

We created this kiriko from the barber’s tools of trade.

震災前の住所 / Address before the tsunami


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2013年 8月 21日 - 12:48am

39マルアラ 及川商店

マルアラ 及川商店 / Maruara Oikawa Seafoods

震災前は歌津泊浜で水産食品加工業を営んでいました。震災で工場が流され、初めての小売店を伊里前福幸商店街に開きました。
屋号は「荒屋敷」。現在の社長 及川吉則さんが5代目です。以前は漁師で農業も営んでいたそうです。
海辺の店に人々が集まってくる風景が、とてもすばらしいと思えると及川さんは語っていました。震災によって、人のあたたかさを実感し、改めて家族や人とのつながりの大切さを感じました。今は、これまでやったことのなかった小売業にもチャレンジしています。
「いい町だよ。」と未来の人々に胸をはって言えるような町に復興していきたい。」及川さんのチャレンジは続きます。

2012年取材:佐藤由美
 2012年きりこ:高橋京子

Taking pride in the fish from which we make delicious products

震災前の住所 / Address before the tsunami


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